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夢のトローリング!?ブルーマーリンって・・・ in ロタ

16:53:00 2004-04-14
今回のロタ便りは海の男のロマン「ブルーマーリン」との格闘?について。ロタのトローリングといえばタレントがクルーザーに乗って真っ黒に日焼けしてかっこよく戦ってる番組を想像するけど、そんなもんじゃないです。笑えるというか、怖いというか・・・。
■□■前代未聞のトローリング■□■

今はシイラの最盛期です。
日本ではなじみの薄い魚ですが西太平洋諸国ではサカナとえば、
このシイラで「マヒマヒ」と呼ばれ親しまれています。
顔が人に似ていることさえ気にしなければ淡白な白身の美味しい魚で、
獲れたてのフライなどは絶品です。

そして、初鰹の季節です。
釣れたてのカツオは縞模様がなく、
白銀色と濃紺とピンクが混ざり合って艶艶とひかっています。
いろいろな料理方法がありますが、
ロタではチャモロソースに漬けて食べるのが一番美味しい食べ方です。
土佐の自慢の初鰹や江戸っ子が女房を質に入れてまで食べた初鰹が
一足先にご相伴になれますし、
逆に、秋の戻り鰹は日本のものよりさらに脂の乗った
「トロかつお」が楽しめます。

トローリングの王者ブルーマーリンもこれからシーズンとなります。
僕も今までに2度ヒットしましたが、
普通の人間ではとても手におえるようなものではなく、
やりとりどころか、一方的に持っていかれて
「あっ」という間にラインがなくなり、
一度のジャンプであっさり切られてしまいました。

マーリンを釣るのは、テレビ番組で見る松形弘樹や梅宮辰夫のように
カッコイイものではなくて、かなりの重労働的スポーツといえるようです。
日本の猟師の場合は1対1の格闘などはせず、
操船技術で弱らせて仕留めるそうです。

さて今回は、若き海の男きどりと、若き船長きどりの男たちが、
はじめてブルーマーリンに遭遇したときの話です。
(笑ってやっておくんなさい)

その頃のトローリングといえば、今のようにロッドもリールも使わず、
50CMほどのタイヤチューブに道糸を結んだだけの簡単な仕掛けで、
チューブが伸びた時が魚の掛かったときで、
わっせわっせと手で手繰り寄せるという、
かなり原始的漁法でしたがそれでもカツオやシイラには十分でした。
だから、マーリンを狙うなどという大それた事もしなければ、
間違っても掛ることはありませんでした。

まもなくして、ココナツビレッジに「ボストンウエーラー」という
トローリングロッドと大型リールを配備したカッコイイボートがくると、
僕たちは一丁前の海の男気取りでひまが出来れば
大物をねらって海に繰り出していました。
キャプテンきどりのジャンは高校を出たばかりで、
ココナツビレッジ建設前のジャングルを一緒に切り開いた縁で
そのままココナツに勤めていました。
子供の頃から父親のボートに乗っていたため、
操船技術だけはいっぱしでした。

そんな或る日、ついに大物仕掛けのリールが
「ギーギーギー」と連続して唸り声を上げました。
普通1メートル程度の中物は「ギー」と一回で終わりますから、
素人同然の俺達にもカジキであることは容易に想像できました。

「やった、やった、ついにやった、マーリンだマーリンだ」
「おい、糸を緩ませちゃいかん、外れるぞ、巻け巻け」
「あっ、だめだ、巻きっぱなしじゃあだめだ、引かせろ引かせろ」
「だって、巻けちゃうんだもん、どんどん巻けちゃうんだから」
「くそっ、逃げられたか」
「そうみたいだよ、もうすぐそこだもん」

その時、突然、巨大なカジキが船尾に立ち上がり威嚇してきました。
(ボートに立っている我々よりでかかった)
「うわああっ」「にげろ、やられるぞ」
僕ら3人は慌てふためいて船首へ逃げた矢先、
こんどは、船首から立ち上がりました。

「船尾だ船尾だ、あっ、こんどは左舷だ、右舷へ逃げろ右舷だ右舷だ」
船の中はもうパニックとなり、
大の大人が3人必死で小さな船の中を逃げ回ったのでした。
結果、カジキには逃げられ、
僕らの海の男きどり的プライドは木っ端微塵に打ち破られたのであります。

それから18年、僕らにとってこの出来事を語ることはタブーでした。
もう時効です。ジャンもいっぱしのキャプテンになりました。


[ロタココナツビレッジ 稲葉正憲]

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